台湾台北市の国家音楽庁は蒋介石(中正)を記念して建てられた中正記念堂の存在する自由広場に建っている
自由広場を挟んで、国歌音楽院と国家戯劇院の二棟が向かい合うように配置されており、
北側が音楽院(コンサートホール)、南側が戯劇院(劇場)となっていて、双方合わせて「国家両庁院」と呼ばれている。

国家音楽庁

両ホールの外観はいずれも大寺院を思わせる切妻式の屋根を持った伝統的建築様式で、日本の大仏殿にも匹敵するような堂々した様相を持っている。
しかも台座的高い台の上に立っているため、高さもあり広場からは見上げるような存在である。
ホール内部はいずれもステージが東側、つまり中正記念堂の方向を上座として配置しており、蒋介石への敬意が払われた設計となっている。

国家音楽庁客席

さて、この音楽院の内部の構造とはいうと、プロセニアム形式の舞台構造で、客席は三層なのだが、表記上は4階席まであることになっている。
ステージ上の奥の壁にはパイプオルガンが設置されており、立派な音楽専用ホールであることがわかる。

国家音楽庁ステージ

壁は焦げ茶の硬い木の素材を使った反響板でホールの横壁全体を埋め尽くしており、学校の音楽室の如く、落ち着きのある空間が作られている。

国家音楽庁の側壁

ここの音は、実際に聴いてみると残響にはそれほどぶ厚さはないけれど、音が籠もらずすっきりとした音が非常に良く響くホールであり、開演前に咳をした時にその響き具合いには非常に驚いたほど。
ステージから客席までの距離がそれほど近いわけではないのに、ダイレクトに迫力ある音が飛び込んでくる印象で、アメリカのブラスバンドを思わせる力強さもあり、まさにホールも一つの楽器であることを証明してくれる。
特にパーカッションや金管系の力強さは驚きで迫力に圧倒される。
もちろん弦楽器のソロなども素直な音として響き、心地よい余韻も与えてくれる。

国家音楽庁内部

実はこういったホールは、演奏だけではなく客席からの拍手もよく響くので、聴衆の反応がホールを満たすので、演奏側にも心地よいはずであり、演奏家が育てられるホールでもある。
実際、このホールの聴衆の反応やその反応を受ける演奏家の印象はとても好意的に映るのである。

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